紫外線対策の季節到来!日焼け止めの選び方|数値編
夏に近づいてくると、気になるのが紫外線。現在、日傘や日焼け止め、サングラスなど紫外線から身を守るアイテムたくさんありますね。その中でも、今回は日焼け止めに注目して、選ぶ際の数値の目安や、年間通しての紫外線量、紫外線がもたらす影響などを解説してきたいと思います。
日焼け止めは、肌を紫外線から守るためには欠かせないアイテムです。今後の日焼け止めを選ぶ参考にしてみてください。
■もくじ
老化を促進?日焼けするだけではない紫外線の影響
紫外線といえば、日焼けをイメージする人が多いでしょう。紫外線を浴びると、日焼けだけでなく、シワ・シミの原因となります。肌老化の原因の大半を占めるのは、光。つまり、紫外線は肌を老化させる主な原因なのです。
紫外線には、UV-A、UV-B、UV-Cの3種類の波長に分かれています。UV-Cは、ほとんど地表には届かないため、私たちが浴びている紫外線は、長い波長のUV-Aと短い波長のUV-Bです。このUV-AとUV-Bから肌を守るためのアイテムが日焼け止めというわけです。
しかし、紫外線にも良い面があります。紫外線を浴びることで、食事だけでは十分な量を摂取することがむずかしいビタミンDを生成してくれます。ビタミンDは、カルシウムを吸収する助けをしてくれたり、免疫機能を調整する働きがあります。
日本人の大半が、ビタミンDが不足しているというデータもあるため、意識的に紫外線を浴びるようにすると良いでしょう。日焼けが気になる方は、ビタミンDの生成を妨げない処方の日焼け止めも販売されているので、是非活用してみてください。
肌をすぐに黒くする(サンタン)のはUV-A
UV-Aは、日差しを浴びた後、「肌をすぐに黒くする」紫外線のこと。これがメラニン色素をつくる色素細胞(メラノサイト)を刺激することで、メラニンが生成されて色素沈着が起こります。
実はこの「肌をすぐに黒くする」という反応は、紫外線が皮膚の奥深くまで浸透してしまうことから守ろうと、体内でメラニン色素が働くことによって起こる「皮膚の防衛反応」。
UV-Aは30〜50%が表皮を通過して真皮に到達し、真皮にある弾性繊維を破壊するため、それが肌のハリなどに影響を及ぼし、シワやたるみなど肌の「光老化」へとつながってしまうのです。
肌に炎症を引き起こす(サンバーン)のはUV-B
もう一つのUV-Bは「肌に炎症を起こさせる」紫外線のことで、肌がヒリヒリするやけどのような状態になります。すべての紫外線の約5%を占めるUV-Bは主に肌表面で吸収され、UV-Aほどの「即時黒化」作用はないものの、肌色を黒くする作用があります。
そのエネルギーは強く、肌が赤く炎症を起こしてしまうのです。これがシミ、そばかすなどの原因となります。
日焼け止めの数値『PA』『SPF』って何を表しているか知ってる?
まず最初に押さえておきたいポイントとして、「PA」と「SPF」の数値があります。なんとなく見たことあるけど、何を表しているのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
数値が高い方が焼けにくいというイメージがあるかと思いますが、しっかり数値の意味を理解しておくと、今後の日焼け止めの選び方も変わってくるかもしれません。
SPF(Sun Protection Factor)とは
SPFは、UV-Bから肌を守る効果を示す指数です。日焼け止めのSPF値が高いほど、UV-Bからの保護効果が高くなります。紫外線B波(UVB)は、エネルギーが強く。肌を赤くしたり日焼けを引き起こす主な原因となる紫外線です。おもに、表皮にダメージを与え、日焼けを起こします。
日焼けしたときに肌が赤くなるのは、このUV-Bの影響です。肌がごわつき、角層中の水分も減少し、肌荒れしやすい状態のなるため、日焼けをした日はしっかり保湿をすることが大切となります。/p>
25分×SPF24=600分=10時間
何も塗らない状態の日本人は、真夏の晴れた海浜で色白の人で約20分、普通肌の人で約25分、色黒の人で約30分でサンバーンを起こすと言われています。
普通肌の人がSPF24の日焼け止めを塗った場合、何も塗らなかったときの約24倍の時間(約10時間程度)、肌が赤くなることを防ぎます。また、この数値は、人の肌質や肌色などによって異なるため、目安として考えるとよいでしょう。
PA(Protection Grade of UVA)とは
PAは、UV-Aから肌を守る指数です。UV-Aは、肌の奥深くまで届き、シミやシワの原因となる紫外線で、地上に届く紫外線のうち約9割を占めます。ガラス越しでも通り抜けるため、日常生活の中で、知らず知らずのうちにダメージが蓄積していきます。
UV-Aは、UV-Bに比べて、すぐに肌ダメージが目に見えないので、わかりずらいかもしれませんが、しっかり防いでおくべき紫外線ですね。
分類表示 | 効果の度合い | UVAPF (UVA防御効果を示す指標) |
---|---|---|
PA+ | 効果がある | 2以上4未満 |
PA++ | かなり効果がある | 4以上8未満 |
PA+++ | 非常に効果がある | 8以上16未満 |
PA++++ | 極めて高い効果 | 16以上 |
適切な日焼け止めを選ぶための目安を知ろう!
人によって肌の色や性質が異なるので、同じ環境下でも日焼けの仕方などが異なります。しかし、使用シーンを思い浮かべて、SPFやPAを確認することで、自分に合った日焼け止めを選ぶことができます。
日焼け止めに表示してある SPFやPAの効果をしっかりと発揮させるポイントとして、少なくとも2〜3時間おきに日焼け止めを塗り直すことが大切です。塗り直しをしない場合、汗や摩擦で日焼け止めが落ちていた!ということもあるので、思っていた効果を得られない可能性があります。
生活シーンに合わせた日焼け止めの選び方の目安は、下の図をご覧ください。
天気や月ごとにちがう!?紫外線の量
紫外線は、量の増減はありますが、1年通して私たちに降り注いでいます。夏は紫外線量が多いから、日焼け止めを塗っている、という方も多いかと思いますが、実は紫外線量が多いのは、夏だけではないのです。
下のグラフは、月ごとの紫外線量と天気による紫外線量を示しています。
これを見てわかる通り、UV-Bは、7月8月が特に強く、冬になると一気に量が減ります。しかし、UV-Aは、4月から9月まで強い時期が続き、冬になってもその半分程度しか下がりません。
UV-Aは、1年を通して変動が少なく、年間通して気をつけなければならないということがわかります。
また、曇りでも約60%の紫外線が降り注いでいます。雨の場合は約30%とだいぶ紫外線量が減りますが、0%にはならないことが意外ですね。
紫外線量は、環境や地域、季節、天候、時間、標高などによっても変化します。曇りの日でも、太陽が雲に隠れていない場合は、紫外線量が多くなることもあるのです。
まとめ
これからUV-A、UV-Bが強くなっていきます。日焼け止めの数値「PA」「SPF」について理解することで、日焼け止めの選び方が変わるかもしれません。しっかり自分の用途・目的にあった日焼け止めを選ぶことで、肌へのダメージを軽減することができるでしょう。
最近では乳液やジェル、スプレー、パウダーなどさまざまなテクスチャの日焼け止めがかんたんに手に入りますが、まずは数値を意識して、日焼け止めを選ぶ時の参考にしてみてくださいね。